そば用語の基礎知識
原材料編
 玄蕎麦  げんそば そば殻の付いたままの蕎麦の実。
 磨き、石抜き  みがき、いしぬき そば殻についているとホコリや汚れを落とし、夾雑物(茎葉や石等異物)を除去する。
 粒揃え選別  つぶぞろえせんべつ 玄そばを大きさごとに振り分けることで、次の脱皮工程の脱皮率をよくする。
 脱 皮  だっぴ 丸ヌキとも言う、そば殻を取り去り蕎麦の抜き実とする。
 製 粉   せいふん そばの実を粉体にする、主にロール式と石臼挽きがある。
 挽きぐるみ  ひきぐるみ 脱皮しないで玄そばのまま挽いてしまう製粉で、当然そばの殻も入る。
 篩い分け  ふるいわけ 挽いた粉を篩いを使って分類する。
 一番粉  いちばんこ そばの実の中心部で、澱粉質が多く粘りが少ない。色は白く更科粉、打ち粉となる。
 二番粉  にばんこ そばの実の大半から取れる粉、一般的なそば粉でせいろ粉、並粉となる。
 三番粉  さんばんこ 外側の甘皮部分が入った香り、えぐみの強いそば粉。色も濃くそばらしい粉。
 末 粉  まつこ 最後まで残った色の強い粉で、主に色づけ等に使う。
 全粒粉  ぜんりゅうこ 末粉以外の全て混ざった粉。一本挽きともいい、ロール挽きはこれにあたる。
 更科粉  さらしなこ 一番粉で澱粉質のため、つながり難いが、旨みは強く独特の食感をもつ。
 粗挽き粉  あらびきこ ざらざらとした手触りで、打つのは難しいが、食べるとプルンとした食感。
 打ち粉  うちこ さらさらで粘らないので、そば打ちの打ち粉となる、そばを茹でるとそば湯となる。
 割 粉  わりこ つなぎ粉とも言う、小麦粉で中力粉や強力粉をつかう。
 つなぎ  つなぎ そば打ちで、麺体として長くつなげるための各種の材料。
 山 芋  やまいも 割とよくつかわれる、食感がぼきぼきした独特のものとなる。
 ふ海苔  ふのり 「へぎそば」で有名な海草を使う新潟県のそば。コシとのど越しが独特。
 オヤマボクチ  おやまぼくち 山ごぼうの葉を煮詰めて、乾燥した繊維質を使う。
 友つなぎ  ともつなぎ 蕎麦がきをつくりそれを合わせてつなぎとする。


技術編
 計 量  けいりょう そば粉、わり粉、水等を割合によってはかる。
 十 割  じゅうわり 割粉などを入れない、生粉打ちとも言う。
 二 八  にはち 割粉2対そば粉8の割合、そば粉10対割粉2だと外2となり、そば粉割合が少し多い。
 湯捏ね  ゆごね 主に十割や更科で水ではなく熱湯を使う、二八でも使う場合もある。
 水回し  みずまわし そば打ちの最初の工程。そば粉に水が均等に混ざるよう行う。
 捏 ね  こね 水回しが終わったらひとまとめにして、更に粘性と均等性を高めるため捏ねる。
 延 し  のし 出来上がったそば玉を薄くそば生地にする。
 たたみ   たたみ 延し仕上がった生地を包丁で切れるようたたむ。
 切 り  きり 包丁で均等な太さで切る。               
 保 存  ほぞん 完成したそばを生舟(なまぶね)等の容器で高湿冷蔵保存する。
 茹 で  ゆで たっぷりの湯で、適正な茹で時間が重要。
 洗 い  あらい 茹で上がったそばを一気に冷やし、ヌメリを落とす。
 盛り付け  もりつけ 水をしっかりと切り、箸で手繰りやすいように盛り付ける。


道具編
 木 鉢  きばち 粉体と水を合わせてそば玉を作ります。
 延し台  のしだい そば玉を薄く生地に仕上げます。
 麺 棒  めんぼう 延すための延し棒と、巻取りと巻き延しをする巻き棒があります。
 包 丁  ほうちょう 麺体にするために、長く大きいものです。
 切り板  きりいた 切るときのまな板です、狂いが出ないように寄せ木づくりのものもあります。
 駒 板(小間板)  こまいた 包丁の定規の役割をします。手を駒板代わりにつかう蕎麦切りもあります。
 生 舟  なまぶね 木製の蓋つきのそばの保管容器、調湿性があり適している。


汁  編
 もり汁  もりじる 蕎麦猪口(そばちょこ)に入れ、ざる蕎麦をつけて食べるための汁。、
 かけ汁  かけじる かけそば等の温かいおそばの汁。
 返 し  かえし 醤油に味醂と砂糖等を合わせた物でそば汁はもちろん煮物や天丼のタレなど万能調味料。  
  
 本返し  ほんがえし 返しを作る過程で、熱を加えて合わせたもの。
 生返し  なまがえし 返しを作る過程で、熱を加えないでカメなどに入れ時間をかけてあわせたもの。
 出 汁  だし 鰹節等を煮出して、旨み成分を抽出したもの。
 一番出汁  いちばんだし 最初に取った出汁。
 二番出汁  にばんだし 一番出汁を取った物で、二回目の出汁をとったもの。追いがつお(追加)の場合も。
 鰹 節  かつおぶし かつおを乾燥やいぶし、カビ付け等でできたもの。 【旨み成分イノシン酸】
 本 節   ほんぶし 本かつおを使った、一番ポピュラーな節。小型のものは、亀節(かめぶし)という。
 宗田節  そうだぶし 宗田かつおの節で、コク、魚臭とも少し強い。
 鯖 節  さばぶし さばの節でコクが強く甘みと感じる、温かい汁に合う。
 ムロ節、いわし他  むろぶし、いわし ムロアジやイワシやアゴ(トビウオ)やイリコ等はうどん汁で多くまた、郷土色が強い。
 出し昆布  だしこんぶ 昆布を干したもの。出汁とりは水出しまたは、沸騰前まで。【旨み成分グルタミン酸】
 干し椎茸  ほししいたけ しいたけを乾燥、干したもの。水につけて戻し汁を使う。【旨み成分グアニル酸】


基本的なメニュー
もり蕎麦 もりそば 水で締めた冷たいそば、ザルやセイロ等に盛り付けたもの。もり汁に付けて食べる。
かけ蕎麦 かけそば 水洗い後に湯煎で再びあたためた麺に、熱いかけ汁をかけたもの。
更 科 さらしな 更科粉を打ったもので、真っ白な麺となる。  
変わり蕎麦 かわりそば 更科粉に抹茶や柚子、ケシの実などを練りこんで打ったもの。季節感や見た目も楽しめる。
ぶっかけ蕎麦 ぶっかけそば 冷やした麺に、冷たいかけ汁をかけたもの。
変わり汁 かわりしる 鴨肉をつかった鴨汁(鴨つけ蕎麦)、大根のおろし汁の辛み汁、とろろ汁等。
南蛮蕎麦 なんばんそば カレー南蛮、鴨南蛮等。
天もり蕎麦 てんもりそば 他に天ざる、天ぷらそば等てんぷらをつけたもの。



   そばの栄養 (100g当たり)
 
     数値は、科学技術庁資源調査会編 『五訂日本食品標準成分表』 より許可を得て引用 。(食品成分データベースの試験公開より)

栄養成分 そば 全層粉 こめ 精白米 こむぎ中力粉 特徴や働き
エネルギー kcal 361 356 368 生命活動に必要な基となるもの
タンパク質 g 12 6.1 9 三大栄養素、さまざまな身体の構成要素。
脂  質 g 3.1 0.9 1.8 三大栄養素、高エネルギー要素、細胞膜成分。
炭水化物 g 69.6 77.1 74.8 三大栄養素、主要なエネルギー要素。デンプン糖質
灰  分 g 1.8 0.4 0.4 ミネラル(無機質)成分。
ナトリウム r 2 1 2 塩類、血圧調整。
カリウム r 410 88 100 血圧を下げる働き、神経伝達。
カルシウム r 17 5 20 骨や歯をつくる栄養素。
マグネシウム r 190 23 18 骨の形成や血圧の維持など。
リン r  400 94 74 骨や歯、筋肉、神経等を形成。
鉄 r 2.8 0.8 0.6 酸素を体中に運ぶヘモグロビンの要素
亜 鉛 r 2.4 1.4 0.5 皮膚や粘膜の維持、味覚を正常に保つ働き。
銅 r 0.54 0.22 0.11 ヘモグロビン形成に必要なミネラル。
マンガン r 1.09 0.8 0.5 タンパク質・脂質・糖質の代謝に役立つミネラル成分。
ビタミンA mcg - - - 皮膚や粘膜に働く成分。
ビタミンD mcg - - - 丈夫な骨をつくる要素。
ビタミンE  r 0.9 0.2 0.3 体内の脂質の酸化を防ぐ。
ビタミンK mcg - - - 血液の凝固に関係する。
ビタミンB1 r 0.46 0.08 0.12 皮膚や粘膜の健康維持。
ビタミンB2 r 0.11 0.02 0.04 脂質の代謝など。
ナイアシン r 4.5 1.2 0.7 タンパク質等の代謝、アルコール分解。
ビタミンB6 r 0.3 0.12 0.05 タンパク質や脂質の代謝、皮膚等の健康維持。
ビタミンB12 mcg - - - 赤血球のヘモグロビンをつくるのを助ける。
葉 酸 mcg 51 12 8 核酸の合成や赤血球の生成等。
パントテン酸 r 1.56 0.66 047 炭水化物等の代謝、善玉コレステロールの増加。
ビタミンC r - - - 皮膚や粘膜の健康維持、酸化を防ぐ。
脂肪酸(飽和) g 0.6 0.29 0.41 中性脂肪、コレステロールの増加。エネルギー源。
脂肪酸(一価不飽和) g 1.11 0.21 0.16 悪玉コレステロールの減少。
脂肪酸(多価不飽和 )g 1.02 0.31 0.91 コレステロールをさげる、脳の機能を高める。
コレステロール r  - - - 細胞膜、性ホルモンの生成要素。
食物繊維 g 4.3 0.5 2.8 食べ物の代謝や生活習慣病の予防。
                                                       






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