農業用語【主に稲作】の基礎知識



栽培管理編
 塩水選別  えんすいせんべつ より良い種籾(種)を選ぶために塩水で比重差選抜します。
 催 芽(発 芽)  さいが 種まきの前に、種籾を水に何日間か浸して発芽を促します。
 播 種  はしゅ 種まきのこと。催芽したものを播きます。       
 芽出し  めだし 種まき後に芽が出揃うようにします。
 育 苗  いくびょう 苗を育てる。芽だし後育苗に入ります。
 潅 水  かんすい 水やりの事、稲作の場合は育苗期に行なう、朝早くが基本。
 圃 場   ほじょう 水田や畑のこと。
 畦 畔 (畦)  けいはん (あぜ) 水田の周りの土手のこと。   
 畦付け(畦塗り)  あぜつけ(あぜぬり) 田んぼに水がしっかりと張れるように、整備します。 
 耕 起  こうき 耕し起こすこと。
 湛 水  たんすい 水田に水を張り、溜め続けること。
 代掻き   しろかき 水田に水を入れた状態で攪拌する事で泥状にして、移植(田植え)をしやすくします。
 田植え    たうえ  代掻きで準備した水田に、育てた苗を移植します。
 除 草  じょそう 稲の生育を悪くする雑草を除去する。
 水管理   みずかんり 田植え後は水の調整がおもな仕事となります。
 減水深   げんすいしん 水田に張った水が一日単位で何センチ減るか。 
 深 水  ふかみず 除草効果を高めるため、水深を深くする。
 中干し  なかぼし 分けつが最終段階の頃に田面を干します。無効分けつ止め、ガス抜き、根張り等の対策。
 間断潅水  かんだんかんすい ある程度の間をあけて潅水(湛水)する。根部の還元状態(酸素不足)の調整。
 かけ流し  かけながし  水をいれながら、排水口(尻口)から流し出す。夏季などに高温対策のため行なう。
 走 水  はしりみず 稲刈り前、コンバインがぬからないように乾かしますが、稲のためにさぁ−っと水を入れます。
 施 肥  せひ  肥料を施すこと、散布すること。       
                        ブロードキャスタによる基肥散布
 基 肥  もとひ 元になる肥料ですから、植付前に施肥します。
 追 肥  ついひ 生育にあわせて追加の施肥をすること。
 穂 肥  ほごえ 稲穂(玄米)が形成される頃に収穫量を高めるために施肥します。
 礼 肥  れいひ 収穫のあと地力を高めるためと収穫のお礼をこめて施肥します。
 稲刈り   いねかり 稲穂が熟して玄米となると収穫です。
 はぜ掛け  はぜがけ 刈り取った稲を圃場で木枠などに掛けて天日乾燥させる。
 乾燥機    かんそうき  脱穀した、籾を機械の火力、風力で乾燥する。
 籾摺り  もみすり 乾燥の終わると、籾殻を取り玄米となる。
 選 別  せんべつ 玄米を一定の大きさ以上の良質米と未熟なものとに振り分ける。
 袋詰め  ふくろづめ 選別した玄米を30キロづつ袋に詰める。
 穀物検査  こくもつけんさ 認定検査員が玄米の品質を確認して等級をつける。
 精 米   せいまい 玄米から、糠部分を除去する。
 色彩選別  しきさいせんべつ 害虫などの被害をうけた着色米などを取り除く。
 食味計  しょくみけい 米の成分比から食味値の点数をつける。
 資材類
 農 薬  のうやく 病気や害虫、雑草対策などで薬品にて防除するもの。
 堆 肥  たいひ 植物性のもの、稲わらや落ち葉などを腐らせたもの。
 厩 肥  きゅうひ 動物性のもの、主に牛、馬の排泄物をくさらせたもの。
 有機質  ゆうきしつ  植物や動物から由来したもの、残渣、排泄物等。
 無機質  むきしつ 鉱物などから、科学的に作り出したもの。
 窒 素  ちっそ 植物体の形成に一番重要な要素で、少ないと生育生涯、多いと病害虫を促してしまう。
 燐 酸  りんさん 主に茎葉や根の伸長を助け養分吸収がよくなります。
 カ リ  かり 植物体の抵抗力など、強度的に必要な要素です。
 栽培方法、経営等
 不耕起栽培  ふこうきさいばい 省力化、環境保護として、耕さないで移植または、直播きなどで栽培する。
 紙マルチ栽培  かみまるちさいばい 雑草防除のために専用の田植え機で、田植えと同時に紙製のマルチを田面に敷いていく。
 直播栽培  じかまきさいばい 苗を移植するのではなくて、種籾を直接圃場に播種する。
 冬期湛水  とうきたんすい  収穫後から水を湛水することで、雑草防除、微生物の繁殖などの水田環境を造る。
 無肥料栽培  むひりょうさいばい 自然農法(福岡正信氏)とも言う。農薬はもちろん、有機質肥料さえも施さない栽培。
 への字型稲作  へのじがたいなさく 肥料の効きが栽培中期重点でグラフ上でへの字になる栽培。 故井原 豊氏の栽培方法
 トレーサビリティー   とれーさびりてぃー 栽培管理のいつ、どの圃場で何をしたかという履歴。
 地産地消  ちさんちしょう 収穫した産地でまずは消費しましょうということ。
 減 反  げんたん 米が余剰生産のため、稲作は減らし他の作物を作ってくださいということ。
 グリーンツーリズム  ぐりーんつーりずむ 農山漁村の自然、文化、暮らしそして農作業等の体験型旅行。
 食料自給率  しょくりょうじきゅうりつ 国内の食料消費に国内生産でどれだけまかなえるかの指標。 40%位(平成10〜15年度)
 自主流通米  じしゅりゅうつうまい 市場原理(消費量)に基づいて、農業団体等が中心となって流通させる米。
 販売農家  はんばいのうか 経営耕地面積が30アール以上、あるいは販売金額が50万円以上ある農家。
 専業農家  せんぎょうのうか 世帯員の中に兼業従事者(農業以外に就業している)が一人もいない農家。
 兼業農家  けんぎょうのうか 世帯員の中に兼業従事者(農業以外に就業している)が一人以上いる農家。
 スローフード  すろーふーど 現代の食に関る全てのことを見直そうという動き。

         
稲の成長編
 種 籾  たねもみ 種まきするための籾です。 
 発 芽  はつが 種まきの前に、少し芽(ハト胸状)を出します。
 芽揃い  めぞろい 種まき後、なるべく平均に芽(成長)が揃うようにします。
 幼 苗  ちびょう 葉齢2〜2.5葉、育苗期間20日〜25日。主にマット苗移植用で、現代稲作の主流。
 中 苗  ちゅうびょう 葉齢3〜3.5葉、育苗期間30日〜35日。
 成 苗  せいびょう 葉齢4〜5.5葉、育苗期間40日〜50日。ポット苗式が現代では主に対応。
 分けつ  ぶんけつ 葉齢5葉ごろから、根本から分かれて増えていく。1本から20〜30本にも分かれる。
 幼穂形成期  ようすいけいせいき 茎の根本の中に稲穂が出来て成長してくる。
 出 穂  しゅっすい 幼穂が成長して、茎の上部から出てくる。
 穂揃い  ほぞろい 田面内の出穂があるていど揃ったこと。
 開 花  かいか 出穂すると開花が始まります。
 受 粉   じゅふん 籾を形成するために、開花して受粉(自家受粉)します。
 傾穂期   けいほき 籾が成熟してくると、重みを増して穂全体が傾きだします。
 登 熟  とうじゅく 成熟が進むと、籾内が充実してきて、やがて固く玄米へとなります。
 胴割れ   どうわれ 登熟期に圃場を干しすぎたり、刈り取りが遅すぎると、玄米にひびや割れた物が出ること。

農業機械編
   トラクター  とらくたー 耕運を基本に、作業機をつけかえてあらゆる農作業をこなす。
  ロータリー  ろーたりー (作業機)回転する爪が何本も付いていて、土を掘り起こしながら攪拌砕土する。
  ドライブハロー  どらいぶはろー (作業機)ロータリーと似ているが、爪が短く回転が速い。代掻きで田面を仕上げる。
  ブロードキャスタ  ぶろーどきゃすた (作業機)粒状の肥料を左右に拡散しながら散布する。
  ライムソアー  らいむそあー (作業機)主にライム(石灰)を散布する。
  マニュアスプレッタ   まにゅあすぷれったー (作業機)主に堆厩肥を散布する。
  ヘーメーカー  へーめーかー (作業機)刈り終わった藁や牧草などを寄せ集める。
  ヘーベーラー  へーべーらー (作業機)寄せ集めた藁や牧草を圧縮して梱包する。 
 田植え機  たうえき 育てた苗を、移植する。マット苗式のものとポット苗式のものがある。
 コンバイン  こんばいん 稲刈りをする、脱穀までするものが主流。
 乾燥機  かんそうき 稲刈りした籾を火力、風力で乾燥させる。
 籾摺り機  もみすりき  乾燥させた籾の殻を取り除き玄米に仕上げる。
 米選機  べいせんき 玄米を一定の大きさ以上の良質米と未熟なものとに振り分ける。
 精米機  せいまいき 玄米から、糠部分を除去する。摺り方で5分づき、7分づき等に出来る。
 軽トラック  けいとらっく 苗運びから稲刈りした籾搬送はもちろん、日々の農作業全般に無くてはならない。
 フォークリフト   ふぉーくりふと 袋詰めした玄米のパレット搬送、肥料受け入れなど。
 動力散布機  どうりょくさんぷき ペレット状の肥料の散布などに背負って散布。
 動力噴霧器  どうりょくふんむき 液体状の主に農薬を霧状に散布するもの。
 刈り払い機  かりばらいき 畦などの草刈り機、円盤状の刃が回転して、草を刈っていく。
 水田除草機  すいでんじょそうき 回転する爪で雑草を倒していく、有機栽培の必需品。

広さ重さ容積 編
 1町歩  いっちょうぶ 約 100(99.2)アール  9917u  3000坪
 1反歩   いったんぶ 約  10(9.9)アール   992u   300坪
 1畝  いっせ 約   1(0.9)アール   99u    30坪
 1歩  いちぶ 約    0.03アール   3.3u     1坪
 1石  いっこく 約 150s  
 1俵  いっぴょう 約  60s 
 1斗  いっと 約 18リットル    重量換算目安 約  15s 
 1升  いっしょう 約 1800cc     重量換算目安 約 1500g
 1合  いちごう 約 180cc      重量換算目安 約  150g  

   

言われ、名言
 身土不二  しんどふじ 生まれ育った近くで採れたのものを食べることが体に良い。
 医食同源  いしょくどうげん 食べることと、医療は同じ根源であるということ。
 苗半作  なえはんさく 苗づくりで作柄が半分きまってしまうので、しっかりとした苗づくりが大事ということ。
実るほどに頭を垂れる稲穂かな みのるほどにこうべをたれる  いなほかな 稲穂が充実して傾穂してくる様子を、人間になぞらえてます。
 晴耕雨読  せいこううどく 晴れた日は外で農作業をして汗を流し、雨の日には家の中で読書や学習をする。
 適地適作  てきちてきさく 良い作物を作るにはまず、適した土地、季節、季候が必要という事。




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